374786 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

おっちゃん物想う

おっちゃん物想う

寂しい人(2010/10/7作)

「君はさみしい人だね」
「ん、どうしてそんな事を言えるんだい?」
「君には友達がいないだろ?」
「何を言ってるんだい、ちゃんと居るよ」
「何人?数えるのは難しいよ、友達の数って・・・」
「難しい?、、、そうだね、知人、友人、親友・・・誰が何処に当てはまるんだろうね?」
「君は一時期、確かに交友関係を増やしたね」
「そうだよ、僕もその気になってしたら、社交的に出来るんだよ。
今はただ、少しそんな気に成れないだけさ」
「今に始まった事じゃないよね、君は通知簿にも書かれていた様に、
周囲から少し浮いているよね。」
「何十年も前の話を出してくるんだね・・・、
けど、そんな時代でも、初恋は経験したし、遊びまわる仲間は居たよ。」
「彼女の引越しは、少し君の運命を決めるように、悲劇的だったかもね」
「未だ子供だったから、積極性に少し欠けていただけだよ、悲劇と呼ぶほどのものじゃないよ」
「今も君はあの時と変わらず、最後の所で引くんだよね」
「恋愛には臆病なだけさ」
「臆病と言うか、君は人付き合いが好きじゃないのかい?」
「価値を認めないと言うんじゃないけど、しんどさ、言わばデメリットの方が大きいと感じたら
引くね」
「君は後悔してるのかい?友好関係が無くなった多くの人達との事を」
「してる、と言えばしてる、、、そんな人も居るよ」
「恋愛は引きずる方だね」
「ん、、、幸せに、と思った人達の事は、今でも思い出して祈ったりしてるね」
「新しい恋人に、昔の彼女の幸せを祈ってるとか言うと、引かれるよ」
「もう、よりを戻したいとかは思ってないよ。会いたいとかも殆ど思わないし」
「諦めは良い方みたいだね、、けど、それってただ付き合いがしんどいだけじゃない?」
「たとえ嫌われてしまっても、幸せを願う気持ちに成れたりするけど、
付き合いを続けたいと迫る気には成れないね」
「君には学生時代に親友だと思える人が居たんだよね?」
「あれは僕が悪くて、関係をこじらせて、気付いた時には連絡が取れないように成ってしまって居たんだよ」
「その時も、君が交友関係を広げた後も、相手から関係を修復しようと戻ってきた事はないよね?」
「ん?、、若しかして僕には魅力がないと言いたいの?」
「何故だろうね?」
「何処かで僕は人との関わりで、駄目な所が有るんだろうね」
「人が嫌い?」
「大好きとは言えないね」
「自分も嫌い?」
「信用出来ないかもね、自分の事も」
「他人は違うと思わない?」
「騙され易いかも知れないよ、僕は」
「今流行りの草食系かい?君は」
「わかんないけど、積極的とは言えないかもね、交友に」
「それは一時期交友を増やそうとしての結果かな?」
「下手とかじゃないんじゃない?、、昔から沢山の人と遊びまくってるでしょ、とか言われた経験が有るよ」
「本当の君は違うのにね、、、、そう言った人は人を見る目がなかったのかな?」
「ん、、、若しかしたら遊びまわって、逆に寂しい何かを僕の中に見たのかもね」
「ほら、やっぱり君は寂しい人だ」
「努力して、交友関係をやっと増やしたのに、それを昔からあっさりしてる人に見られて、
寂しい思いはしたけど」
「君も解って欲しいんだね」
「所詮、自分の事も理解出来ないのに、とは思ってるけどね」
「今のあの彼女の事はどうだい?」
「彼女の本当は、今でも僕には解らない」
「解りたくないかい?」
「少しは理解したいけど、結局自分との関係でどうなのかが一番の問題かな?」
「それって君の今の一番の問題かい?」
「かもね、と言うかそれも含めた交友に関する悩みが今は大きいかな」
「自分自身の事が一番の問題じゃない?」
「僕には魅力がないって事?」
「君には、他人から特に必要だと思われた事がないんじゃない?」
「そうかもね、だからこうやって君との会話で自分を慰めてるのかも」
「僕がね、君を寂しい人と言うのは、君が持ってる運命的な何かも含めてだよ」
「若い頃から、人付き合いが少なく、頑張って増やした交友関係にも満足できず、
何時も恋人には去ってしまわれる、僕の人生の事かい?」
「結局君は人を好きに成れないんだよ」
「幸せを願う人は結構居るよ」
「何もしてないよね、君の魅力の無さはそこかもね」
「何もしなくても、人が集まる人間とは僕は違うね」
「見返りが欲しいのかい、君は」
「やっぱり、自己満足でも何でも何かは欲しいと思うよ」
「本当のその人の幸せとかって、自分自身でさえ分からなかったりするね」
「その人が幸せだったらとかって、結局は他人だから分かり様がないとも言えるのに、
それだけで満足とかって難しいよね」
「君は未だ1年も会ってない人の事で悩んでるのかい?」
「何かを嫌いに成られたんだろうね、、、それだけは解るよ」
「彼女には、づうっと何か嫌われてたんじゃない?」
「僕が彼女の事をどこか好きに成れなかったのかな?」
「自分が魅力的じゃないって認めるのは難しいね」
「君は僕が魅力的じゃないから、寂しい人だって言ってるのかい?」
「何かしらの見返りが無いと人は物事をしにくい。
君は寂しい人だから、少しばかりの見返りで何かを人に出来るかも。
けど、君には他人が感じられる魅力が少ないから、何かをして貰うことは少ない。
だからか何か、君は本当には人を愛せない」
「愛か・・・、愛って難しいね」
「君が求めてる、目指してる”愛”って、たしかに一般的に使われやすい”愛”より深いものかもね」
「解らないよ、僕には」
「何よりも、色んな人との関係を断ち切る方向で、それで君は進もうとする。
そこに何か君の寂しさを僕は感じるね」
「下手じゃないのかもしれないけど、僕には、、、」
「結局孤独を感じるだけのこんな会話を続けてる君は、孤独が好きな人なんだね」
「どうなんだろう?群衆の中の孤独とか、嫌いじゃないね」
「誰も答えてくれない、こんな会話を始めたときから、君の寂しさは決まっていたのさ。」
「そしてこの失恋も、初めから決まっていたと?」
「そうは言わないけど、今感じてる君の寂しさは、男女問わず、人付き合いの中で、
君が昔から、そして今も、若しかしたら未来も、感じ続ける大きなものかもね。」
「僕の苦手な事が、弱い事が、僕の一番の課題で重要な事だって?」
「人生の終わりがそろそろ見え始めて、やっとそれに向き合うように成ったって事かな?」
「所詮、僕が僕の中で自分を見てるだけに過ぎないのさ」
「そうだね、そして君は何時も一人さ」
「誰かを裏切ったり、酷い事をした覚えは無いけど、それでも僕は人の寂しさを感じ続けて生きていくのかもね。」
「君がただ、寂しい人だからさ」


© Rakuten Group, Inc.